里山の四季 日々の散歩路で見つけた自然を紹介  芸術的だったり、人を魅了するインパクトのある写真は撮れないけど。身近な生き物たちとの出会いを楽しんでいます。

ヤシャブシ 夜叉五倍子

カバノキ科ハンノキ属

名前の由来は花穂が夜叉に似ていること
花穂にはタンニンが多く含まれていて五倍子(ふし)の代用にされたとのことです。
五倍子はヌルデの葉茎にできる虫こぶで黒色顔料、お歯黒に使われたそうです。


2020.12.1 房総のむら

早春に結実した果実(花穂)が残っていました。
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葉は紅葉しないで落葉します。

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ヤシャブシの根には根粒菌(フランキア菌)が共生していて窒素分を供給してくれます。
根粒菌は地中の空気から窒素を同化してヤシャブシに与え、ヤシャブシからは炭水化物をもらいます。

他の落葉樹のように秋に葉の葉緑素を分解して
その構成元素である窒素を体内に取り戻して蓄えておく必要がないので
緑色の葉を惜しげもなく落とします。
根粒菌が窒素分をくれるので大丈夫なのです。
これはハンノキも同じです。


緑色のままの葉
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冬芽


葉芽や雌花序の花芽は、芽鱗に包まれています。
芽鱗(冬芽を保護するうろこ状のもの)
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頂芽 尖った先が曲がる。
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側芽 
葉芽か雌花雌のどちらかなのですが。
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葉痕(葉が枯れて落ちたあと)
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雄花序の花芽

芽鱗はなく裸芽
つやつやして表面を保護している。

裸芽(芽鱗をもたない冬芽で毛やつやつやの樹脂におおわれている)
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樹皮

古くなるとはがれやすくなります。
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ヤシャブシは痩せた土地や砂地の緑地化に役立っています。
花粉が花粉症を引き起こすことがわかっています。


蛇足ですが
ブルーベリーの紅葉です。

2020.11.21
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by kaya2018 | 2020-12-06 08:29 | 樹木